恋旅フォトラリーとは富山県の南西部に位置する南砺市が、市内の所定スポットでAndroid端末やiPhoneの専用アプリを使って写真撮影をすると、オリジナルポストカードをプレゼントするというもの。専用アプリには各スポットを舞台としたオリジナルストーリーのアニメーションをダウンロードできる仕組みも備えており、最初の再生は各スポットを訪れないとできないが、一度ダウンロードしてしまえばエリア外でも再生できる仕組み。まぁ平たく言ってしまえば聖地巡礼ブームにあやかった観光客誘致活動であるが、同じ南砺市に居を構えるP.A.ワークスがこのキャンペーンのためにアニメーションを製作してたり、南砺市(城端)繋がりでtrue tearsのキャストや監督を採用してる所が他の類似キャンペーンとは異なる。実はこのキャンペーンの開始初日であった4/28、自分は金沢でいろは巡礼の最中で、穴水駅でキャンペーンのポスターを見て「あぁ今日からだったのか」と思ったのを覚えている。
それが紆余曲折あって今回フォトラリーに旅立つ事になった。事前にNAVITIMEを使って移動シミュレーションをした結果、同一市内のフォトラリーとはいえかなりの移動距離があり、レンタカーは必須。とてもじゃないがちょっとしたオリエンテーション気分で参加すると痛い目にあいそうなのは容易に想像できた。翌日高山に移動する予定だったので、富山で高山行きの最終ひだ20号に乗るために、高岡駅16:52発のサンダーバード23号に乗らなければならないのも条件を厳しくしていた。今回同行したDさんとも、状況によってはカットしながら廻らないといけないねと話しつつ出発。高岡(氷見)へ直行する唯一の高速バス、新宿22:20発の西武バスに乗車して高岡には予定より20分ほど早く到着した。
バスは北口から少し離れたところでの降車だったため、とりあえず南口のレンタカー屋の位置を確認した後、レンタカー屋が開店する8時までの間、予定通りtrue tearsのプチ巡礼をする。
まず、6:00発の氷見線で越中国分まで移動して海岸線を見る。北陸の海岸線といえば車で走る事ができる千里浜なぎさドライブウェイが有名で、走れる理由は砂一粒一粒が海水を含んで引き締まっている事らしいが、ここの海岸も砂粒がきめ細かった。実際、地元の車が波打ち際近くまで進入してたし、同じような感じなんだろう。
6:52発高岡行きに乗って戻るが、高岡のひとつ手前の越中中川で降りて、たこ焼きHACHI-HACHI(あいちゃんの店のモデル)や高岡古城公園を見学しながら高岡駅に戻った。本当は氷見まで行きたかったが、降りてから目的地までの移動に時間が掛かりそうだったので今回はパスした。
8時に高岡駅前でレンタカーを借り、南砺へ向けて出発。受付のお姉ちゃんに免責補償をつけるようしつこく言われて、本当は要らないと思いながら付ける。ブレーキがどうのこうの話してたら、乗る予定だったIC入り口を通り過ぎて、道の駅でUターン。なんかやな予感。
とりあえず最初の目的地であるスキー場に到着。夏の間は駐車場がジムカーナ場になり、全日本選手権も開催されるらしい。
エリアC1福光 [ポストカードE] IOX-AROSAスキー場(交換)
続いて城端の西側にあるクライミングセンターに到着。なんというかこんな設備がある事自体が凄いんですけど。
エリアC3城端 [ポストカードF] 桜ヶ池クライミングセンター(交換@ヨッテカーレ城端)
R304を南下して五箇山方面へ向かう。保存協力金という名目の駐車場代500円を払って相倉合掌造り集落のすぐ近くに停車できた。ここでは集落を一望できる高台まで登ったりして見学したあと、村上家へ向かう。
エリアB2平 [ポストカードD] 世界遺産 相倉合掌造り集落
五箇山総合案内所で知らない番号の電話が掛かってきたが、番号が5523だったので出てみたらレンタカー屋だった。どうも前に借りた人が白いiPadを置き忘れたらしく、あるかないか探して欲しいのこと。探してみて出てきたのは確かに白かったが携帯電話だった。折り返し電話したら車返するときでよいので渡して欲しいとの事だったので了承して旅を続ける。
エリアB2平 [ポストカードD] 国重文 村上家(交換@五箇山総合案内所)
この時点で時間的に厳しくなっていたので、「世界遺産 菅沼合掌造り集落」(エリアB3上平、ポストカードD)はキャンセルし、利賀へ向かう事にしたが、平から利賀へ行くスーパー林道は予想に反して登坂車線有りの2車線の区間が多くとても走りやすかった。
エリアA1利賀 [ポストカードA] そばの郷(交換)
ここで昼食。時間的に厳しいのは分かっていたが、そばの郷にきてそばを食わないものあまりにも味気ないし。自分はざるそば、Dさんは掛けそばを注文。デザートにそばプリンを食す。
「瞑想の郷」および「利賀芸術公園」(ともにエリアA1利賀、ポストカードA)はキャンセルして、R471経由で井波へ向かう。地元っぽいおばちゃんの軽に追走しながらだったが、これが予想に反した山岳道路で一応全線舗装であるものの、左側に崖を見ながらずっと走行する事40分ほどで井波に到着。ただし、ナビに設定していたのが井波の瑞泉寺ではなく城端の瑞泉寺であったため少し通り過ぎたり、駐車場が探しきれずに道の駅で止めたりしたもののなんとかクリア。
エリアB1井波 [ポストカードC] 八日町通り(交換@よいとこ井波)
「井波別院瑞泉寺」(エリアB1井波、ポストカードC)ではARフォトを取らなかったので、ここの分のポストカードは貰いそびれた。急いで福野へ移動する。巖浄閣は写真で見るよりも薄いピンクだった。交換のため福野駅の観光案内所に行ったら休みだった。観光案内所が日曜に休んでどうするんだと思いつつ、福野文化創造センターヘリオスへ向かう。
エリアA2福野 [ポストカードB] 南砺福野高校 巖浄閣
巖浄閣での分をヘリオスで交換しようとしたら、ヘリオス自体がARポイントである事を忘れていて、係員のお姉さんにヘリオスで撮れば(同じ絵柄だけど)貰えますよと言われて追加撮影。
予定ではここからエリアC2の井口へ向かい、「赤祖父湖円筒分水槽」と「いのくち椿館」であったが、時間切れでキャンセル。貰えるポストカードはFで、既に桜ヶ池クライミングセンターで入手済みだ。急いで福光ICへ向かう。
予定ではこのあと城端でtrue tears巡礼をする予定だったが時間がない。完全にパスするのも偲びないので城端市街を一周してから高速に乗ろうかと話していたが、ICに着いた頃にはそんな事は夢のまた夢の状況になっており、城端を完全にパスして高岡へ向かう。true ters巡礼を兼ねて今回のフォトラリーに誘ったDさんにはとても悪い事をした。後になって考えれば、福野から高岡へ向かうのであれば、南の福光に行かずに北の小矢部東ICに向かうか、もしくは下道でそのまま高岡へ向かったほうが良かったかもしれないが冷静な判断ができなかった。色々かなぐり捨てて向かった高岡ではあるが、高岡駅前に着いたときは乗る予定だった16:52発サンダーバード23号が富山へ向けて出発している最中だった。
後続の17:19発しらさぎ9号で富山へ向かう。高山へは普通列車を猪谷で乗り継いで行くが、急いで乗っても猪谷で乗り継ぐ高山行きは21:34分着である事は変わらず、富山で夕食を取る事に変更。日本海の幸が楽しめればと思いつつ駅前で食事処を探すがなかなか見つからず決まらずで、結局富山ブラックラーメンを食べる事に。でも疲れていたせいか腹が減っていたせいか、以前海老名で食べたときの焦げた魚介ダシ特有の臭みはなくて旨かった。間に合わなかったおかげで、予定してなかった富山駅前のプチ散策や食事もできたのだから、これも旅の思い出という事で。
駆け足で廻った恋旅フォトラリーであったが、感想としては南砺市凄いの一言に尽きる。豪雪地帯なので冬の苦労は分からないけれど、都心の(郊外の)味気ない環境で生活している身には大変羨ましい環境だった。平成の大合併で出来た市とは言え、たった1つの市であれだけの観光地や祭りを持っている市は全国的にみても非常に稀だと思う。
(翌日の高山編に続く)